石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

お芝居。

舞台『泥棒役者』を観にいってきた。
映画を見ようと思いつつ見そびれてしまったこともあり、ものすごくうれしかった。
舞台は久々だな、、と思ったがよく考えたら
先月しずるの単独ライブ、
去年はヨーロッパ企画の『来てけつかるべき新世界』と、
出不精の自分としては結構、お芝居を見ている!
と思ったが
調べたら、『来てけつかるべき新世界』は一昨年だった(--;
シティボーイズを観に行ったのは2013年、『吉本100年物語』は2012年。
年に1度行くか行かないか、なのだった。。
いつものことだが
もっと頻繁に行かないとなあ、と
ちょっと反省した。


『泥棒役者』は、大阪は10日まで、さらに東京公演があるので
ネタばれを避けようとすると何も言えない気がするのだが
「これから観る方はほんとに期待して大丈夫です!!!」
と言いたい。
興奮して珍しく眠つけず、3時くらいまで目がさえていた。

コメディはある種のリズム感とかスピード感とかが大事なんだろうなと思うのだが
ただテンポがいいだけじゃなくて
大笑いしつつも
後半に向かって感情の量がぎゅっと濃くなっていくのが素晴らしいと思った。


終わってから帰っていく方々がみんなものすごく幸せそうな顔をしていて
さらに
私は開演前にパンフレットを買いそびれて、
後で買って会場わきのベンチで待ちきれずに少し読んでいたのだが
その間もずっとお客さんの気配が濃く渦巻いているので
なんだろうと思って目を上げると
劇場の周りのいたるところで
お客さんたちが黙々とアンケートを書いているのだった。
まるで試験会場のような不思議な、熱い静けさだった。
受けとった熱いボールを、同じくらいの力で投げ返そうとしているようだった。






(ここから先の感想は少しネタバレが入ってるかもしれないので
これから観る方は閉じてください。。
でも、すごくあらすじのネタバレが読みたい、
という方にとっては、
むしろ、ちっとも面白くないと思います。
だからそういう方も閉じてください。。。(じゃあ誰が読むんだ(謎))




















あらすじ等のくわしい情報は
舞台版
https://www.dorobouyakusha-stage.com/
映画版
http://dorobou-yakusha.jp/
このあたりをどうぞ。



主役の丸山さんはすごく面白い存在感だった。
ゴリゴリ自分を押し出すんじゃないのに
気が付けば舞台のすべてのところに「いる」のである。
役柄としては気が弱くて調子がいいタイプなのだが
袋にどんどん新しいものを詰め込んでいくみたいになんでも「容れて」いって
しまいには舞台が全部、彼の存在に包まれている、みたいな感じだった。


ドラマはたいてい、主人公や登場人物の「内面の変化」を語るが
内面の変化って、そう簡単に起こるものではない。
変わるのは怖いし、いやだし、つらい。
見ている側もそういう体験を多かれ少なかれ抱えたうえで、
いや、もっと言えば、変われないで苦しんでいる自分というものを
見ている側もなにかしら抱えている、そのうえで
「それは、内面的に、変わるよね」と納得したいわけなのだから
たった2時間でどこまでリアリティを出せるか、すごく難しいと思う。
だが、丸山さん演じるはじめは、ちゃんと抵抗を重ねつつ、
ほんとうに内面的変化をとげた。
月のように徐々に満ちていく、その変化が自然で、でも、鮮やかだった。


東山さん演じる童話作家・前園は、
いろいろあって「書けない」状態にあるが
私も一応、文章を書く仕事をしているので
「書けない」辛さはものすごくよくわかる。
一番感情移入したかもしれない(涙
東山さんはとにかくキレのいい動きが華やかで惹きつけられると同時に、
出てくると舞台がぱっと安定する感じがして、太陽みたいだと思った。
相方やお客に語り掛けるようなツッコミになる漫才と違って
お芝居のツッコミはほぼモノローグになる。
だから「つっこむ」勢いが出にくいだろうと思うんだけど
東山さんのはくっきりエッジがたっていて、
そのつど解放されたように笑えた。


そういう2人が月と太陽のように動きあって、
やがて違う時間が始まる。
(とか
星占い脳はすぐそういうことを考えるのでやだ。。--;)


女優さんは一人だけ、佐津川愛美さん。
小柄な彼女の存在感もすばらしかった。
清楚さや純情さと、気の強さみたいなもの、
さらに「賢さ」という、それぞれが気配の違うものを
なんでこう一緒に表現できるんだろうなあ、と、不思議だった。
たとえば、クレーマーの対応をするシーンがあるのだが、
クレーマーが(おそらく)女性が苦手なのを感じ取って
敢えて自分が対応に出るのだが
そのときでも、
「相手が女性が苦手だとわかっているから出ているが
特に女性らしさみたいなものを誇示して相手を追い払う、というわけではない、
でも、相手が女性が苦手だという特性を、自分なりに活用して対処していく」
という複雑なことを、ごく自然に見せてくれるのである。
クレーマー役の川島さんも、説明的ではなく
なんとなく女性には強く出にくい(でも弱い顔を見せるわけではない)
みたいなのを短くぱっと表してくれていて、
なんというか、見ている私として
「どうやって自分にそう伝わってきているのかわからない(けどはっきりそう思える)」
のがすごいと思った。
。。。。これ全体が私の誤解なのかもしれないが(爆


ちなみに以前、私も
「奥」さんという名字の方と仕事をしたことがあるが
知人が彼女を知っていたので話していると
「あの編集部はご夫婦でやってるんですよね」
という話になり
知人はまさに、奥さんを編集長の妻女だと思っていたのだった。
なので、設定には一切無理を感じなかった。
「うん、うん。それあったあった」と思った。


与座さん演じるセールスマンの轟も
「出てくるだけで安心する」存在だった。
空気が読めない、っていうのは
揺らがない、ということであって、
ゆえに安心できるんだなと思った。


あと泥棒仲間のコージを演じた中谷竜さんも印象的だった。
強いものや暴力に対してはひたすら従順で、
そのぶん、自分より弱い存在にはこわいほど暴力的になる、
という悲しくも生命力にあふれるキャラクターなのだが
最後の最後で希望をくれる存在になるとは思わなかった。
首謀犯のりおの、悲しみと孤独と一体化した暴力の
「手の付けられない状態」に
結局、素手で触れるのは「友達」だからなんだなと思った。

なんか書いてるときりがないが
とにかく
映画の円盤が出たらきっと買おう
と思ったのだった。
(予約始まってました
https://www.amazon.co.jp/dp/B079Z6F1FR/


ロビーでパンフレットを読んでいた時
何か手持ち無沙汰に同じベンチに座っている人がいて
なんだろうな、
と思っていたら
小学生くらいの女の子が劇場の中から出てきて、
その人のもとに、興奮気味に駆け寄った。
娘さんだけチケットがあって、
親御さんが迎えに来ていたのだった。
マルちゃんよかった、かっこよかった、すごかった、
とひたすら盛り上がる女の子に対し
お母さんが
「ヒガシは?ヒガシはどうだった?」
と聞いてるのがすごく納得の世代感だった。


そして
女の子が
「ヒガシもよかった!」
と同じように熱をこめていうのを聞いて


アイドルってすごい
はるか年下の小学生にも
「ヒガシ」って呼ばせる何かがあるんだ


と思った。感動した。