石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

ブルーナ


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訃報 ディック・ブルーナ逝去のお知らせ
http://www.dickbruna.jp/news/201702/4661.html


私の人生でいちばん最初の「本」は、
ブルーナの『こいぬのくんくん』だったそうだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/4834003523
そのことは
『子どもの自分に会う魔法』に書いた。
https://www.amazon.co.jp/dp/4592732855/


ブルーナの絵本では、
人の死など、避けられぬ人生の真実も
決して「伏せられる」ことなく、まともに扱われる。


『こいぬのくんくん』も
みんなに助けを求めるんだけど助けてもらえない
みたいな、
絵本にしては結構シビアな話なのだが
(上掲の拙著にはそのあたりを書いたが)
よく考えると、くんくん自身は
りっぱに人助けをしている。



誰もが、弱いところを持っている。
自分には弱さなどない、と信じている人も
そう信じるしかない、という辛さ、弱さを抱えているのだろう。
弱さに逃げ込むのも弱さだし
弱さを受け入れられないのもまた、弱さだろう。
どちらの弱さも、
悪いものではない。
「弱い」ことは
決して、「悪」ではない。
弱さがあるから、優しさがある。
「善」の行き場がある。



くんくんは
幼いスーキーちゃんと、子どもを見つけられなかったスーキーちゃんのお母さんを助けたけれど
スーキーちゃんのお母さんは他の誰かを助けているだろうし
スーキーちゃんだっていつか
誰かを助けるだろう。


ブルーナの「やさしさ」についてのクールでシャープな見識は
幼い頃にその本を読んだということを忘れてしまった後でも
心のどこかに
残っているものなのだろうか。


作家が死んでも
作品は残る。


もとい
「残る」ことをゆるされる作品は
ほんのわずかだけれど
「残る」ことは
才能と時代に恵まれ、努力した作家への最大の幸運であり
およそすべての作家の密かな、根深い夢なんだろうと思う。



ありがとう、ディック・ブルーナ
貴方の作品がこの先もずっと
残っていきますように。


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辻恵子さんのブログ。
http://tsujikeiko.blogspot.jp/2017/02/bruna89.html