石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

熊本ツアーinRed・その2

その1のつづき。

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2日目、私は吉田美保子さんの作品
モルダウ・ミスト」を身に纏い(美容室で着せてもらった)、
個展の会場に向かった。


会場は「きものサロン和の國」さん。

着くとすぐ吉田さんが私を見つけて下さった。
久々の再会だったわけだが、
吉田さんにはもうひとつ、久々の再会がある。
それは、私が着ている着物だ。


自分で作った作品がどんなふうに「着られて」いるのか、
作家の方には、なかなか見えない。
個展などで購入させて頂いた場合、
仕立ててから着るまでの所は、
特別に約束でもしない限り、
作者の目には触れないのだ。


私は、吉田さんに
「こんなふうに着ています!」
というのを、見せたかったのである。
私自身が、自分で書いた本へのご感想メッセージを頂くとき、
とてもうれしいからだ。
もちろん、吉田さんに、
「とても気に入っています、人にも褒めてもらって、嬉しいです」
と言葉で言うことはできる。
でも、それ以上に
「実際に着たところ」は、
作者としては、興味ある所なんじゃないだろうか
と思ったのだった。


吉田さんが久々の自分の作品との再会を
どう思って下さったかは解らないが
でも、着物は産みの親に会えて喜んでいる
・・・・ような気がした(気のせいかもしれないが


絹の着物というのは
もともと虫のつくったものということもあって
なんとなく、生き物の気配を感じる
ような気がする(気のせいかもしれないが


そして、吉田さんの作品を見せて頂いた。
作品の写真などは、
http://www.someoriyoshida.com/blog/
こちらでチラ見できる。


今回の個展のテーマは、
加藤清正
熊本城を今のように大きくし、
熊本の治水工事を一手に引き受けて成功させた、
熊本のヒーローである。
熊本が地震に遭い、辛い思いをしている今、
清正公さん(せいしょこさん)と親しまれる土木の天才が
熊本の人々の心の支えになるのではないか
「清正公さん、いまこそおねがいします」
というような気持ちにもなるのです、
と吉田さんは、トークイベントで語った。


加藤清正は趣味人で衣装好みだったらしく、
紋はもちろん、具足のデザインなど、
印象的なものが様々に残っている。
いくつかのヒントをあつめ、そこからイメージを膨らませて、
吉田さんは作品を作った。


作品の中に、
「猩々緋」という緋色の帯があった。
猩々(架空の動物。吉田さんは「中国のお猿さん」と表現した。カワイイ。)の赤い顔色に由来する緋色、
ということだが
戦国武将などが好み、
猩々緋の武具は「猩々の血で染められている」とも言われたそうだ
(「実際には、生き物の血で染めても、布は赤く染まりません」とのこと)。


この、深く影を帯びた緋色の帯に、
私は強烈に惹きつけられた。
こちらの写真の、真ん中の赤と青のうち、赤い方。
http://www.someoriyoshida.com/blog/2016/11/post-515.html
実物はもっと陰影があって、
ある方が「油絵のようだ」と言った。



買ってしまった(爆
モルダウ・ミスト」のときと
同じ展開・・・・・(汗


別に後悔しているわけではない。
ただ
こういう「作品」を購入するときは
なんというか
自分がそれにふさわしいかということをつい
考えてしまうのである。
「身の程知らず」みたいな感じが
どうしても、ついてまわるのだ。


でも、今回のイベントを企画したライターの安達絵里子さんは
こんなことを言っていた。
彼女も吉田さんの着物を着ていたのだが
「この着物を纏ったとき、
これにふさわしい、優しい人になろう、
と思えるんです」
と。



今の自分にふさわしいかどうか、
ということも大事だと思う。
でも、
着物もそうだが、芸術作品など、どんなものでも
「自分がこれにふさわしいものになろう」
と思える「目標」として手に入れる
ということも
ありうるのだな、と思った。


着物をたくさん持っている人なら
帯を一本買って、手持ちのものとくみあわせればよい
となるわけだが
私は残念ながら、
袷の着物は「モルダウ・ミスト」一枚しかない。
なので
襦袢からすべての組み合わせをご提案頂き、
こんな組み合わせでお願いすることになった。
上のリンクは、和の國のご主人、茨木 國夫さんのブログである。


会場で作品を拝見しながらふと、店内の棚を見ると、本が置かれている。
茨木さんの著書だった。
この本を何気なく開くと、衝撃的なことが書かれていた。

『茨木國夫きもの宣言』
きものに命をかけます。
ほんものを目指すために、
一生きもので通します。


※「きもの宣言」とは、洋服は全く着ず、
 一生きもので通すことです。


『きもの宣言』茨木國夫著 より


茨木さんは、32歳のとき、
一念発起して「きもの宣言」をし、
持っていた洋服を全て捨てて、下着まで褌にかえて、
公私を問わず、ずっと着物で通すことにしたのだった・・・・!


海外旅行もきもの、温泉もきもの、
仕事の集まりもパーティーもきもの、松田聖子のコンサートもきもの、
子どもの運動会の応援や参観日もきもの・・・・
ゴルフもきもの!(とはいえ、これはゴルフ場からかたくなにNGと言われてしかたなく着替えたらしい)


日常をすべてきものにすると、まず、とても目立つそうだ。
で、芸能人だと思われたりすることもあるらしい(茨木さんは実際、テレビにもよく出ていらっしゃるそうだが)。
さらに、温泉などの脱衣所での褌は、ひときわ人目をひくので
裸になって風呂に入った後も探されて話しかけられたりする。
・・・等々、きもの生活の悲喜交々は、この本を是非読んで頂きたい。
https://www.amazon.co.jp/dp/4046539046/


京都市長は着物姿で有名だが
プライベートまではどうかわからない。
ましてや、パンツまで和物かどうか。。



ご本の読みやすさもあって一気に立ち読みして
そのことを若干興奮気味に、そこにいた茨木さんに伝えると
その場にいた方々と、いきなり話が盛り上がった。
鹿児島からいらしていた、吉田さんの古くからのお知りあいの林まり子さんと、安達さんと、
5人でずっと、きもの体験などのことをお話していた。
茨木さんと吉田さんはもちろん
安達さんは着物に関する本や記事をたくさん手がけてきた方だし
林さんも着付を教えたりされている方なので
私だけ超アウェイな感じだったのだが
それでも、貴重なお話をたくさん伺えた。



もし、洋服文化が入ってくることがなく
今もみんなが和服を着ていたとしたら
「きものとは何か」なんて
考えることもなかっただろう。
私もまた、自分のフィールドで
「紙の本とは何か」
を考える機会がよくある。
紙の本はなくなる、書店がどんどんなくなっていく、
という環境にあってはじめて
「本とは何か」を考えることになる。


茨木さんはそれをダイレクトにひっくり返して
それ「だけ」でやったらどうなるか
という実験的な生き方を通して
「きものとは何か」を
考え続けている方なのかもしれない
と思った。


それはみんながそうで
吉田さんも
色とは何か、ということに向き合いつづけている方なのかもしれないし
みんなそうやって
失われそうなものの前に立って
「これは、いったい、そもそもなんなのか?」
と考えていくのかもしれない。


たとえば「安全」とか「家」「地域」「住処」等についても
地震という体験を通して
「それは、なんなのか?」
ということを
多くの人が考えただろう。
私自身も、たぶん
何らかの形でそれを考えたのだろう。


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なんとこの夜、
吉田さん・茨木さんに
熊本のおいしいものを食べにつれていっていただいてしまったのだった!!
お店は「瓢六」さん。
http://ama-kusa.com/page_pic/hyou_HOME.html
http://ajiwainotoki.com/140418.php



私は何が好きといって
鯖が好きなのである。
そして
馬刺しも好き。


馬刺しとゴマサバ
夢の競演・・・・!(感涙
(あまり嬉しすぎていきなり食べ出したため、写真は食べかけです)



からしれんこん。

私は実は、黄色いからしは食べられないのだが
思い切って食べてみた。
すると
イケる・・・・・
なんかわかんないけど、イケる!!!
となって
3つくらい食べた。
(勇気をふるっていきおいこんで食べたため、写真は食べかけです)


そしてナゾの
「ひともじのぐるぐる」

ほんとうに「ひともじのぐるぐる」という料理名なのだ。
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=55075445
(名前のインパクトに興奮気味で食べたため、写真は食べかけです)


おでんもおいしかった(感涙)


そしてそのあと、妙な流れで
しゃるまんばるーるさん

2日連続で通うことになったのだった(美味


そんな感じで
熊本の夜は老けて
ちがう
更けていったのだった・・・。



その3に続く