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石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

「人」の思い出


熊本の長崎書店さん、営業を再開されたようだ。
http://www.nagasakishoten.jp

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12星座シリーズを出して少しして
九州をイベントやサイン会で回ったことがある。
「回った」といっても、
ブックオカ(福岡の、本のおまつり)で一箱古本市に参加し、
警固教会という教会でトークイベントをやり、
そのあと、熊本に移動して
長崎書店さんでイベントをやる、というものだった。


イベントなどの時はつねに単独行の私だが
この九州ツアーのときは、違った。
WAVE出版の飛田さんや安藤さんと同道したのである。
編集者の飛田さんは私と同年代なのだが
非常にパワフルな、少女のような人で
本を作るときも、いつもなんとなく、
彼女の「気合いと若さに飲み込まれている」ような感覚がある。


私は、各地に仕事で出かけていっても
仕事の会場以外には、ほとんど足を向けない。
旅行で行くのと、仕事でいくのは
「ぜんぜんちがう」という気がするからだ。

九州の時も、そういうつもりだったのだが
飛田さんがそれを許さなかった。
みんなで飲んだり、
九州新幹線で博多から熊本に移動したときなど
夕方のイベントまで僅かに時間ができたので
飛田さんは
「石井さん!熊本城行きましょう!」

私を熊本城に引っ張っていったのであった。


ここまで書いて
たしかブログで書いたな
と思って検索したら、
http://d.hatena.ne.jp/iyukari/20111110/p2
出てきた。


タクシーの運転手さんは
「あんたがたどこさ」
の話をしてくれた。
「あんたがたどこさ、ひごさ、ひごどこさ、熊本さ」
というけれど、
熊本では「さ」という語尾はつけない、
つけるとしたら「ね」なので
「あんたがたどこね、ひごね、ひごどこね、くまもとね」
ならわかる
というようなことを教えてくれた。
幼い頃何度も歌った歌の中に「熊本」が入っている、と
運転手さんに言われるまで、意識にのぼらなかったことに
ちょっとびっくりした。


長崎書店さんのイベント会場は
不思議な美しい部屋だった。
控え室には気高くもあたたかな「社訓」があり
私は感動して、メモした(上のリンクにある)。
イベントがおわったあとも、
学校の放課後の教室みたいに
たくさんのかたが何となく残ってくださり、
あたたかく和んでくださった。
そういうのも、私のイベントでは殆ど起こらないことだった。


私の通った高校には修学旅行はなかったし
大学時代は今でいう「ぼっち」だったので
卒業旅行とかもなかった。
私にとって、旅行と言えばほぼ「一人旅」を意味していたので
あの熊本の旅は、私としては
非常に特異なものだった。
わいわいやって、楽しくて、
まるで修学旅行みたいだった。


そういうわけで
私の熊本の思い出は「人の気配」でできている。
「人の温度」でできている、と言ってもいいかもしれない。
だから余計に
地震からこのかた
皆さんが無事であるように、
傷つかれた気持ちや深い疲労が少しでも癒えるように、と、
ずっと、祈るような気持ちでいる。
そして、必ず、もう一度行こう、と思っている。