石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

マトリックス


数日前の三日月。




ここ数年、4月は下半期本「星栞」とfigaroの袋とじで
しっちゃかめっちゃかになるのだが
今年は特にすごかった(汗
なぜ「特に」すごかったのかは、
「星栞」が出たら、おわかり頂けると思う。
仕様を、相当変えてみたのだ。
どうぞお楽しみに!

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本が出来上がるまでは、ゲラといって、
印刷の見本みたいなものを皆でチェックして、
どんどん手を入れていく。
編集者さんとのあいだで、
宅急便のラリーになるわけだが
最終段階では時間がぎちぎちになって
翌日午前必着!みたいな場面もよく発生する。

そういう場合は、宅急便の営業所に、
ギリギリ19時までに荷物を持っていくことになる。


先日もそういう場面があったのだが
その日は生憎、朝から土砂降りの雨だった。
最寄りの営業所までは歩いて10分ほど。
18時半にどうやら梱包し終えて、
足早に営業所に向かった。
営業所は集配所なわけで、
たくさんのトラックが出入りする。
広い広いトラックの駐車場もある。
その片隅に営業所がぽつんとある。
つまり、この場所の主役は「トラック」なのだ。
だから、人間が歩くのにはちょっとアレな箇所も多い。


道路と営業所の境目には
金属の板が段差を埋めるために斜めに置かれていて
その上に、門のレールがある。
それを踏んで中に入ろうとしたところ
左足がナナメの板の上をずるっとすべった。
私は姿勢を崩し、
うぬ!
とうなって体勢を戻そうとしたところ
変な力がかかったのか
同じく金属のレールの上を
ずるり
と、今度は右足がすべった。
水の溜まった二本のレールをはさんで股割き状態で
私は大きくよろけた。
詰んだ
完全に転倒パターン・・・


しかし
肩にはゲラの入った布袋がかかっている。
原稿は紙の封筒に入っている。
クリアファイルにはさまれているとはいえ
守られているのは表裏と2辺のみだ。
レールの間にはマンマンと水が溜まっている。
私の頭の中に電撃が走った。
このままここでころぶわけにはいかない・・・・!



生まれつき運動神経に全く恵まれていない私にこのとき
奇跡が起こった。
いきなり、手が傘を放りだし
その空いた手が背後の大地をしっかりと抑え、
のけぞった姿勢で静止したのである・・・・!


これは・・・・・



マトリックス・・・・・・・・!!!


ゲラは守られた。
私はなんとか立ちあがり
べちゃべちゃになった右手をジーンズの膝で拭いた。
しかし
手のひらにはぽつぽつと小さな石がはまり込んでいる。
これから営業所の中で伝票を書かなければならないので
私はその手を何度も何度も膝で拭いたが
まったくきれいにならない。
よく見ると
石のはまってたところが凹んでるだけだった。


あたりは真っ暗で近くにはだれもいなかったので
私のマトリックスを見た者は無い(たぶん)。
営業所のスタッフの方は
ワケも無く息を切らしてちょっと異様な雰囲気の私を
怪訝そうに眺めながら応対して下さった。


めでたくゲラは時間内に受け付けて頂けた。
妙な達成感と奇跡の高揚感に包まれながら
私は営業所を出た。



そんな
マトリックスな本だと思えば
いつもの1.5倍面白く読んで頂けるかと思います。
乞うご期待。

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こないだ
バスに乗っていたらば
小さい女の子が飽きてきて
ちょうどすれ違った救急車のサイレンのマネを元気よくやり始めた。
これはまずい
と思ったらしいお父さんが
別の遊びをさせようと
必死になって何か話しかけている・・・
と思ったら
彼女はさらに元気よく、こんどは
ラッスンゴレライ
を始めた。


ここは関西
さすが
みごとに流暢である。


しかし
なんか
聞いていたら
むずがゆいっていうか
もぞもぞするっていうか
てれくさいっていうか
あああ
ああああああ
ああああああああああ!!!!



救急車の方がむしろよかったです・・・・!!!!



ってなった。


あの
もぞもぞする感じは一体
なんなのだろうか。。。
うるさいとかいやだとかじゃなくて
なんかこう
くすぐられて笑いながら
「だめ!やめて!たのむからやめて!ぎゃはは!!!」
って言ってるような苦しさだ。




しかし
彼女の陽気なマネを聞いていて
ラッスンゴレライ
ってたしかに
子どもにウケるわ
私が子どもだったらぜったい延々とやってるわ
おこられるくらいやってるわ
とも
思った。



ああいう
意味不明の言葉をリズムに乗って繰り返す
という身体的な興奮体験の記憶が
微かに呼び覚まされた。



もしかすると
きちんと心が成長して大人になっていたなら
こんな「むずがゆい」みたいな感じにはならず
「ほほえましいわね、楽しそうね(余裕の微笑)」
となるのかもしれない。
自分も十分やりそうだから
同族として気恥ずかしい
ということなのかもしれない。


大人になりたい。
ふ。