石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

久々の新宿。


昨日は、新宿朝日カルチャーセンターさんで
久々にお話をしてきた。
対談、というか「2人会」で、
劇作家で演出家の阿藤智恵さんと、
「運命」をテーマにお話をしたのだった。


対談と言っても、最初は30分ずつ、1人で話をして
その後に対談、という段取りにした。
しばらく人前でお話しするお仕事を休止していたうえ、
初めてお話しするテーマでもある。
いつもは手書きのメモをわーっと作るのだが
今回は、さすがに不安で、ワープロで原稿を用意してみた。


しかし
ふたをあけてみたらそれを読むわけもなく
書いた内容のほんの一部しか話せなかった(そもそも量が多すぎた)。


さらに、対談の最中、原稿にあったはずの一文を探すのに手間取り
阿藤さんに
「原稿作ったせいで返って時間なくなってるじゃないですか!(笑)」
と突っ込まれ、さらに
阿藤さんが立ち上がって「ここにあった!」と
私の原稿を指差して、その一文を見つけてくれた。
(ちなみにそれは井上雄彦著『バガボンド』の一節であった。)


終了後、プチサイン会のようになったのだが
「漫才みたいで面白かった」
ジャムセッションみたいで面白かった」
というご感想をいただいた。
たしかに、のるかそるか、みたいな緊張感はあったかもしれない。


阿藤さんとの人前での対談は、これが初めてで
実際にお会いしてお話しするのもまだ4、5回目くらいなのだが
阿藤さんは私を、「自分と非常に対照的だ」と言う。
確かに
昨日は服装からしてそうだった。
阿藤さんは濃いピンク色のニットで
私はブルーのニットだったのだが
色のトーンがたぶん、おんなじような感じで、
客席から見るとかなり派手な舞台(?)に見えただろうと思う。


たとえば、仲野先生へのインタビュー
http://www.mishimaga.com/yaminabe/035.html
の中で、阿藤さんは私が書いた一文を例にとった。


「「知らないことを知る」快楽と、
「人から褒められる」快楽では
多分、後者のほうが強烈なのではないか。
昨今の若者は本を読まなくなった、と言われるが、
日々読んでいる「文字」の量は、
昔よりももしかしたら、多いのかもしれない。
未知のことが書いてある本を読むより、
自分に対するメッセージが書いてあるSNSなどの文字情報を読む方が
ずっと魅力的だろう。」


と私が書いたのを読んで、びっくりしたというのだ。
阿藤さんは
「私はぜんぜん逆で、知らないことを知る快楽のほうが大きいです」
と言った。
私はしばしば、そういうふうに
阿藤さんが驚くようなことを言うらしい。
「ゆかりさんは、私が想像もしないようなこと言うんです」
と、阿藤さんは言う。
自分では奇をてらったようなことを言ってる気はないのだが
ものごとへの感じ方がすごく違うのだろう。


たぶんそれは
このブログでも何度か書いている「自己肯定感」の有無では・・・
と思った。
阿藤さんはどちらかといえば
自己肯定感のある人だと思う。
私は、ないほうである。
だから、物事の感じ方が陽と陰、光と影、みたいな対照になる。


でも、たとえば
星占いの「オポジション」というのが
一見、まったく異質なもの同士が対立しあっているようでいて
実は、その内なる仕組みはほとんど同じで
「対立」というよりは「極性」のようなものだ
というのにも似ていて
阿藤さんには、なにか私に似たものがあるからこそ
「話してみたい」「もっと話せばもっと何か出てくるんじゃないか」
と思えるんだろうと思った。



「運命」についてのお話がどんな内容だったのかは
後日、この対談の序章(?)となったミシマガジンで
ざっとご紹介したいと思うが
先にここで、ちょっとだけ。


阿藤さんが「運命」について考えたとき、
最初に思い浮かんだのは、自分の仕事のことだったそうだ。


「演劇の世界で生きていきたい、演劇人になりたい、
と思っていたときは、とても苦しかったんです。
演劇という世界があって、そこに入れてもらえるだろうか、
演劇の世界で認めてもらわなければならない、認められたい、
というのが、すごく苦しかったんですね。
でも、それがいつからか、
演劇が自分自身の中にあるようになって、
自分が内側から『演劇人なんだ』と自覚できるようになった、
自分の外側にある『演劇という世界』に入れてもらう、のではなく、
自分自身が演劇なんだ、と思えるようになったんです。
それは私にとって、本当に大事な自覚なんです」


たしかに、
職業についての夢を語るとき
「○○になりたい」
という表現をする。
「野球の選手になりたい」「パン屋さんになりたい」
などと言う。
それは、
既にある世界に入れてもらいたい、
既に成立している世界に認めてもらいたい、
というイメージを含んでいる。


私は、阿藤さんのこの話を聞いて、
もちろん、積み重ねがあってのことではあろうが
そう「自覚できる」と言い切れる彼女のパワーに圧倒されつつ、
こんなことを話した。


「先日、ある編集者さんと話していたとき、
自分自身の仕事が職業として成立している、
と思える瞬間が存在しない、という話をしてたんです。
というのも、私は『ライター』という肩書きで仕事をしているんですが、
本が出版されたり、雑誌の記事が出たりするのって、
その記事を書いてから1ヵ月後とか、もっと後だったりするんですね。
自分のやったことが世の中で『これは仕事だね』と認められたとき、
その仕事は私の中ではもう完全に過去になっていて、
さらに、その時点では『次』が書けるかどうかわからない。
書けたとしても、それが出版にいたるかどうかは誰にもわからない。
『書いてる』ことと世の中的に言える『仕事』とが、
時間軸の上でぴったり重なっているところって
存在しないんですよね。
だから『ライターになりたい』『作家になりたい』っていうのは、
実際には、ありえなくて、
ただ、文章を書く、作品を書く、という活動があるだけ、なんじゃないかなあ
職業があるんじゃなくて、活動があるだけなんじゃないかなあ、
と思うんです」


私の考えでは、
阿藤さんと私は、似たようなことを言ってるのである。
もっといえば、もしかすると
たぶん、完全に同じことを言ってるのである。
でも、こうやって思い出しながら書いてみて
やっぱり、対照的だなあ
と思ったのだった。


ちなみに
阿藤さん目線の記事がこちら。
http://atohchie.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-e74c.html
照れる!照れるよ!!!(赤面
でも私から見ると
阿藤さんはすごくまぶしいのだ、
なんかそこだけ明るくなっているというか。
私が感じる「明るさ」は、私自身の持ってる光量との
相対的な感覚なんだろうと思うのだ。


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強風の中いらしてくださった皆様、本当にありがとうございました!
阿藤さん、楽しい時間をありがとうございました!
スタッフの皆様、ほんとにお世話になりました!


会場でもチケットを販売しましたが、
阿藤さん作の三月のお芝居、
詳細は以下の通りです。


春の劇場30 日本劇作家協会プログラム「詩人の家」
劇作・演出:阿藤智恵

2015年3月4日(水)〜8日(日) 座・高円寺1
[料金(全席自由・税込)]一般3,500円 3/4プレビューは2,500円
[前売開始] 2014年12月24日[水]
[チケット取扱い]
 ぷれいす 03-5468-8113(平日11:00〜18:00)) 
 ローソンチケット(Lコード:33013)
 予約受付電話番号:0570−084−003(Lコード必要)
           :0570−000−407(オペレーター対応)
 インターネット予約 http://l-tike.com/(パソコン・携帯共通)
 店頭販売:ローソン・ミニストップ店内Loppiで直接購入いただけます。
 座・高円寺チケットボックス03-3223-7300
 (月曜定休・TEL10:00〜18:00/窓口10:00〜19:00)
 座・高円寺WEBチケット
[お問合せ] ぷれいす 03-5468-8113 (平日11:00〜18:00)