石井ゆかり@筋トレのブログです。
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涙目のアリス


1年ほど前から、絵本雑誌「MOE」で連載をしている。
毎回、1冊の絵本の中から「名言」をとりあげて
そのキモについて語るという企画だ。
この仕事は大変楽しい。



編集部から「この本を取りあげて下さい」というような指定は全くないので
折に触れ、いろいろ絵本を読み、ネタを探すようになった。
この「仕事」も、単純に楽しい。
これでお金がもらえるなんて
まことに贅沢なことである。



先日、また材料を探しに、絵本専門店に行った。
書棚の前でとっかえひっかえしているうちに
ふと「タイプじゃないものにも手を出してみるか」と思い至り
いつもならスルーしてしまうような絵本を
試しにいくつか開いてみた。


私の読書は、
タイプな本とそうじゃない本とがくっきり分かれていて
食わず嫌いが激しい。


どんなのがタイプか、というのは
言葉で説明するのが難しいが
嫌いなものは、主に
・啓蒙的なもの
・予定調和的なもの
である。
大人が子供に何か教え諭そうとしているとか、
子供の気を惹こうとしているとか、
夢を持たそうとしているとか、
そういう「意図」が見えるものはいやなのである。
悪いこともしてないのに叱られた
みたいな気分になるからかもしれない。


だが、普段避けているもののなかに
宝石が見つかることもある。
これも修行(?)だ。
私は、敢えて嫌いなタイプの本を選んでひらいていった。
そしてやはり、
うんざりした、いやーな、泥水のような気持ちになっていった。


しかし。
数冊目に、「出会い」はあった。
「子供に伝えたいこと」が
確かにそこに透けて見えるし、
絵柄もあまり「好きなタイプ」ではないのだが
なぜかその本を、好きになってしまったのである!


なんだこれは!
すきだ!


私は
好きな絵本に出会うと
涙が出てくるのだ。
だから
材料探しの時はいつも
涙目になりながら本を繰っている
キモチワルイやつなのだ。
数頁読んで
この本は
涙出てくるアレだ!
と気がつき
さっと閉じて
それを「買う本」の上にのせた。


自分が、何を好きになるかなんて
ほんとうに、わからない。

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3月3日発売号に掲載予定です、
乞うご期待。