石井ゆかり@筋トレのブログです。
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変身


何かしら事件が起こって、
みにくい姿に変身させられてしまう
という神話やおとぎ話はたくさんある。
ギリシャ神話のカリストーは、クマに変えられたし
娘道成寺(あれは自分で「なった」のか)とか、
美女と野獣なんかもそうだ。
元に戻れることもあるけど
戻れないお話も多い。



荒唐無稽なようだけれど
アラフォーになってきて
なんか、ああいう変身譚はあながち
架空の話でもないなあという気がしてきた。
だんだん毛深くなったり、頭の毛が抜けたり
肌の具合も変わってくるし、体型も変化する。
昔、わずかにでも美しかったというわけでは決してないが
相対的に
今よりは20代の頃の方がマシだったのは否めない。



こうした、容姿の加齢による変化が
前述の「変身譚」と似ているなと思うのは
それが不可逆だからだ。
もちろん、悪い魔女の魔法が解けて元に戻れる場合もあるけれど
加齢の場合はそうはいかない。
まるで「元に戻る」みたいな化粧品や食品のCMをたくさん見るけど
根本的に「魔法が解ける」わけではない。


おとぎ話はあながち「ウソ」ではない
ということが
しみじみ思われる。


みにくいクマに変えられてしまったカリストーは
愛する息子に出会っても
母だと気づいてもらえない。
結局、息子に「狩られて」、殺されてしまう。


姿が変われば、
もう、もとのものではないのだ。
そのときのカリストーの、
愛を失った切なさを思うと
なんか
人ごとじゃなくて、涙が出る。


姿だけじゃなくて
物事を感じとる力とか
言葉を操る力なんかも
徐々に摩滅していっている気がする。
人によってスピードやタイミングの差はあるだろうが
これはほんとに「変身」だ。
人生は残酷だ。



でも
若いときに
「若いうちにいろんなことをしておきなさい」とか
「若くて感受性が敏感なウチに旅行をしておきなさい」とか
そういうアドバイスを大人からもらったときには
ちっともぴんとこなかった。
ずっと自分が今のままのような気がしていたのかもしれない。


いつかは「変身」するのだということを知っていたら
もう少し気合いを入れていろんなことをしていただろうか。

あの頃もあの頃で、たぶん
目の前のことでいっぱいいっぱいだし
あれこれ不満もいっぱいだったんだろう。な。


いや
もしかすると
別の種類の「変身」だって
あるのかもしれない。



いつか、喜べるような「変身」が実現するものなら
それは
どんな「変身」なんだろうか。



おもえば
子供は「変身」が大好きだ。
仮面ライダーとか
セーラームーンみたいなのとか。



新しい力を得る変身。
力や美を失っていく変身。



世の中には
変身がたくさんある。



クマに変えられたカリストーは
姿も声も変わってしまっても
その心だけは
もとのカリストーのままだったろう。
変身しても
かわらないものがあるのだ。



天に上げられたカリストーの悲しみ。
おおぐま座の、変わらぬ心。