石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

閖上、石巻。(その2)


その1より、続き。


石巻一箱古本市石巻ブックエイド」には
石巻のご当地ヒーロー、「シージェッター海斗」も来ていた。



彼の詳細↓
http://www.man-bow.com/kaito/


なぜこういうものを見ると興奮してしまうのか…
きっと幼少時からのスリコミだろう。
その場に子供はいなかったのだが
みんな「わああああっ!」という感じで興奮して撮影していた。
シージェッターは切れ味抜群のアクションでポーズをとっていた。
膝の後ろや背中は汗で色が変わっていたが、かっこよかった。
プロだ…と思った。



そして
仙台と言えば笹カマなわけであるが
地元のみなさんが鉄板イチオシは
石巻白謙かまぼこ店
http://www.shiraken.co.jp/shop/corp/default.aspx
である
ということを教えて頂いた(そしてお土産まで頂いた(感涙))。
ここのを食べたら他のは食べられなくなる
と、皆さん推していらした。
何人もの方が別々のタイミングで「しらけん」を、
おなじように熱烈に「お勧め」して下さったので
ほんとに真剣に「鉄板」なんだなと納得した。
頭にすり込まれた。




ぷっくぷくの
ぷるんぷるんの
もっちもちで
ウマイ(涙
現地の方はこれでごはん何杯でもいけるのだそうである。
かまぼこがメシの友になるとは…。
でもたしかにそうかも(そのくらいうまい

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新潟(ニイガタブックライト)や福岡(ブックオカ)と比べると
人通りはやはり少なく、ぼーっとしてる時間も多かったのだが
そのぶん、お一人お一人と、本の話で盛り上がったり
被災したときの話をくわしくうかがえたり
値切られたり
(「だって、図書館ならタダで読めるんですよ?」と言われたので、なんか、負けなかったけど(爆))
お金がちょっとだけ足りない!うう!という方には負けてあげたり
そんなこんなで、1日とても楽しかった。


私とおなじ場所で昔の少女コミックを売っているお店があったのだが
そこに来たお客様が(前日この方も出店されていたそうなのだが)
遙か昔に絶版になった、山本鈴美香の、たしか「七つの黄金郷」を買っていた。
その方は、かつてこのマンガを持っていて、愛読していたのだが
津波で流されてしまったのだといった。
でも、非常に古いものではあるし、絶版だし、
もうあきらめていたのだそうだ。
思いがけない「再会」に、
少し涙ぐんで、深く感激していらした。


そういう方がたくさんいらっしゃるだろうな、とは思っていた。
でも、その方の姿をみて、
自分が大事にしてる本が全て流されたらどうだろう、というイメージが
非常にリアルに浮かんだ。
たぶん
髪の毛や歯が抜けたのと同じような感じがするかもしれない。
何度となくよんどころない事情で引越を繰り返して来た私には
子供の頃から今に至るまでの人生が
少しずつ買い集め、引越の時の処分を免れてついてきた本に詰まってるのだ。


そう考えたら
その方が、あの作品を取り戻せて
ほんとに良かったと思った。
単に「新たに物を買い直した」のとは
全く別のことだと思った。
ささやかであるにせよ
それは、
時間と記憶を買い戻したに等しかっただろう。
人生のかけらを買い戻したようなことだっただろう。


おおげさなようだけど
本当に好きな作品というのは
マンガでも小説でも何でも、
そのくらい、かけがえのない友なのだ。


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最後に売り上げの集計をして、表彰式となった。
商店街や関係者、そして南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)さんから
「よかった本屋さん」が表彰されるのである。
今回は、事前に丹治さんから
石井ゆかり賞を作って頂けませんか、賞品用意して下さい」
と言われていたので
私もプレゼンターであった。


私は、私に会いに来てくださる方もたくさんいらっしゃるので、
お店を離れることができない。
だから、「石井ゆかり賞」は、こういうことにした。
「私は本を出して生活しているので、
本を買ってくださる皆様、ひいては、本を売って下さる皆様に
ほんとにお世話になっているわけです。
なので、本を一番たくさん売った方、すなわち
売り上げた冊数のいちばん多かった方に
石井ゆかり賞』をさしあげます」


一箱古本市では、勿論、本の値段は出店した方が自由につける。
値段交渉も勿論、アリである。
だから、本の売り上げ冊数と、売上金額とは
かならずしも比例しない。
事実、売り上げ冊数の上位3店と、
売上金額の上位3店は、
たしか、一店もだぶってなかった。


で。
表彰式で「石井ゆかり賞」となったのは
女性三人で出店されたお店であった。
私が準備していたのは、上製のノートであった。
手作業で制作された、ハードカバーのノートである。
工房の直営店が近所にあったので
そこで買ったのだった。
おどろいたことに、私が用意した商品には
三冊のノートが入っていたので
「何か見えてたのだろうかおれ…」
とおもった(爆


各賞の発表後、
売り上げ冊数と金額のベスト3が発表になった。
「出張筋トレ@石巻」は、
売上金額18400円で見事トップとなった(感謝感激)
やまちゃんのポストカードの売り上げは4500円。
これを足して22900円が、この日の総売上であった。


このお金は、
いつもどおり、「炊き出し隊」にカンパしようか…と思っていたのだが
今回は、石巻に来て、たくさんの方とお話ししているうちに、
どうしても今回は、石巻という土地に直接、寄付したいと思うに至った。
それで、石巻市義援金窓口に、
少し足して3万円を入金させて頂いた。
お買い上げくださった皆様、本当にありがとうございました!

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表彰式が終わり、その後シンポジウムがあったのだが
私は新幹線の時間があったので
山口夫妻とともに、駐車場に向かった。


たくさんの大漁旗が置かれているお店のような場所や
横っ腹にひびが入ったり大穴の空いたりした家々のわき、
ぽかんとあいた更地が点々と続く商店街の片隅を通り抜けた。
駅前のとおりをまっすぐ日和山の方に進むとすぐに、仮設住宅がある。
古本屋さんをした場所からちょっと奥まったところで
テントやプレハブの建物を飾り付けて行われていた「復興マルシェ」には
http://matinakamarche.blog.fc2.com/
子供のあかるい声が聞こえていた。


仮設住宅に住んでいるということは、
住処を得たということではない。
それはあくまで「仮寝の宿」で
「根をはる場所」はまだみつかっていない。



ニュースで「仮設住宅に入居、避難所は解散」と聞いて
「ああ、ようやく避難生活が終わったんだ、よかった」
と、安堵してしまっていた。
でも、まったくそうじゃなかった。
もちろん、避難所と比べれば仮設住宅は「大幅な生活の改善」だろう。
しかし「避難生活が終わった」わけでは、決して、ない。
「避難生活」は、いまここで続いている。
それは、
実際に仮設のちかくまで来てみてはじめて、
ありありとわかったことだった。
バカみたいだけど
私はこういうことについては恥ずかしいくらい鈍感で
その場に来るまでほんとうに、わからないのだ。




このブログの「その1」を読んで下さった方からいただいたメッセージに
こんなくだりがあった。


「私の実家は石巻にありました。
 津波でやられて全壊して、今はさら地となっています。
 家がびっしり立ち並んでいた場所は見渡す限り
 何もなくなって、思い出の故郷は、すべて破壊されました。
 今は心の中にだけ、震災前の故郷の夏の日の風景が、
 まるで今でもそこにあるかのように思い出されます。
 両親は仮設扱いのアパートに入っていて、
 被災者住宅が出来るのを待っていますが、
 その話し合いさえ未だされていない状態です。
 「生きてるうちに入れるかな〜」なんて冗談で言っています。
 なのに、政府は復興財源の予算が余って、使い道がないので
 国庫に戻すと言っているそうです。
 何だかとても悲しくなりました・・・。」


悲しみは「津波の時だけ」のことではない。
なぜ?と叫びたくなるような新たな怒りが、
一年以上も、寄せては引いていく絶え間ないさざ波のように
被災地に、繰り返されてきたのだろう。



また来よう、と念じながら
石巻をあとにした。

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帰りがけ、丹治さん(だったか、ナンダロウさんだったか…?)に
「つぎ、山形もどうですか(ニヤリ)」と言われた。
スケジュール的にちょっとアレで無理そうだったけど
でも
こうして各地で一箱古本市があって
それに出店するためにいろんな人が集まってくるのって
それも一つの「旅」だよな
と思っている。


「旅行」は
名所旧跡や街並みを巡り、土地の物を食べ、景色を眺めて
そうやって帰ってくるわけだけれど
一箱古本市に出店して、一日、地元の人とのんびりおしゃべりをして本を売り、
 それで、周辺を回って何か食べて帰ってくる」
というのも
旅のやり方として、おもしろいよな
と思った。



荷物が
ちょっと重いけどね!!(事前発送を引き受けてくれる古本市もあります。)


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東京に向かう新幹線のなかで

はらこめしたべた!!
おいしかった(涙



来てくださった皆様、お話を聞かせて下さった皆様、
本当にありがとうございました!!