石井ゆかり@筋トレのブログです。
『星読み』もよろしく!

象徴


イマジン、銀座のど真ん中。
しばしばニュースで、リポーターが
「このニュースを町の人は…」
とかいって街頭インタビューしている、あの場所である。


十字路で、和光があって、三越があって、
日産の車のディスプレイがあって、
あともう一つの角はなんだ?
そのとなりは鳩居堂で、日本一地価が高いような感じのとこなんだが・・・


そう
そこは


昔から、リコーのビルなのである。
コピーとかカメラとかの、あのリコーである。
今日まで私も知らなかった。


テナントビルなので、いろいろなお店が入っているのだが
その上の方、2フロアは
カメラメーカー・リコーの輝く歴史を現物で語る濃いディスプレイがあり
さらに骨太な企画を重ねているギャラリーがあるのである。


リコーフォトギャラリー。
http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/


ちょっとヤボ用で(もしかするとあとでおもしろい告知を打てるかもしれませんが)
このギャラリーにお邪魔したのである。
そして
元、リコーのカメラのデザインのお仕事をされていた
ギャラリーRING CUBE運営リーダーの橋本さんに
いろんなお話をしていただいた。


私はカメラなんか全然解らないど素人で
一眼レフ?なにそれ?たべられるの?
的な人間なので
このシチュエーションはまさに
豚に真珠
の状態だったのだが
橋本さんは素人にも解るように、蜜柑をほぐすように
やさしくお話ししてくださった。


カメラのデザイン
と言われても
それは一体・・・・
という、はてなまーくで頭がいっぱいになってしまったのだが
ひとつ、すごくおもしろかったお話があった。


それは
「カメラがカメラらしくないと、カメラファンには受け入れられにくい」
ということである。


カメラが、カメラらしい。


それってどういうことだろう。


橋本さんがおっしゃるには(これは素人のうろ覚えなので不正確だと思うのだが)
つまり、凝ったデザインとか、斬新なデザインをやっても、
カメラファンにはどうも、ウケがわるい。
古くからの「カメラらしさ」というものがあって、
そのラインを踏み外してしまうと、
どうも、好んでもらえない、ということなのだった。


しかるに
「カメラらしさ」
というのは、
なんだろう。


古いカメラを見てみると
レンズが縦に二個並んでたりするのもあるが
基本的に
黒い筐体に、丸いレンズがピノキオの鼻のようにつきだしている
というイメージになっている。
たとえば、このピノキオの鼻の部分を
流線的な隆起のようにして、ぎゅっと出さないようにする。
こういうのは、ウケなかった
というのだった。


一時期、デザイン的に冒険した時期があったけれども、
この時期のはどうも、だめでした
といいながら指さされたラインナップを見ると
「ダメ」だった時代のデザインは
昔の、晩期のラジカセみたいな雰囲気だった。
曲線を多く使っていて、なんとなく初代iMacみたいなフォルムでもある。
凹凸が少なく、横幅がいかっている感じもなく、
ずんぐりしている。
ぱっと見、それはカメラかな?
と、わからないくらいなのだった。


だから、原点に返って、
カメラらしいカメラのデザインにし、
そこに、良いレンズを乗せたのです。
と示されたものたちは
たしかに素人にも
「それはカメラですね!」
と解る姿をしていた。


私が持っているカメラは申し訳ないがキヤノン製であった。
しかしやはり、カメラカメラした、
一目で「あ、カメラですね」とわかる姿をしている。


子供に「カメラの絵を描いてみよう!」と言ったら
今の子供は、どんなカメラを描くんだろうか。
たぶん、ケータイやスマホを描く子供もいるかもしれないけど
親が入学式などに勇んで子供を撮るカメラは
カメラカメラしたカメラじゃないかなと言う気がする。


カメラのイメージ。


機能的に「こうせざるを得ない」「これが必然」という部分もあるだろうが
それ以上に「こういうのがカメラだ」というイメージが
人々の心の中に既にあるのだ。
これはもう
「カメラのイデア
と言ってもいいのではないだろうか。


もっと言えば
この「カメラのイデア」は、
単に見た目のイメージだけでつくられているのではなくて
性能や操作性など、「内容」とも分かちがたく結びついている、
ように思われる。
「こういうカメラがカメラっぽくて良い」というのは
たとえば、女性のバッグやハイヒールのデザインとは違って
その、中
にまで、イメージが浸透しているのではないかという気がするのである。


カメラの、カメラ「らしさ」。
それは、カメラファンの心の中に、原型のように存在して
厳然たる力を持っている。


というそのイメージが
ものすごくおもしろかった。



この話がすごくおもしろかったので
忘れないうちに
ここに記す。まる。


この話には続きがあるのだが
またこんど。


この「話の続き」は
今、このギャラリーで開催されている写真展に結びついていて
それはもう「必見」なので
よろしければぜひ。


それは端折って言うと
チェ・ゲバラの有名な写真は何枚かあって何度も見たことあるけど
この形で見ると、やっぱほんとにスゴイいい男だったんだな!」
ということである。
この
「この形」
が、
とてもすごくすばらしいのである。


そして
私たちが感じる「チェ・ゲバラらしさ」と
「実際のチェ・ゲバラ」とのあいだにもまた
大きな隔たりがあるのだ
ということが
少しわかる気がしたのである。



必見。


マグナム・コンタクトシート
http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/event/magnum65.html