石井ゆかり@筋トレのブログです。
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訃報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070719-00000116-jij-soci

河合隼雄先生が亡くなった。
私にはリアルの恩師がひとり、書物の恩師が5人ほどいると思っている。
河合先生は書物の恩師の一人だった。


経済学者のカール・ポランニーはとても野心的な人で
若い頃から大きな仕事をすると公言していたそうだが
晩年、「やりたいことは何ですか?」と聞かれて
有名な学者の師となりたい、と答えたという。
「人を変えることほど面白いことはない」と。


私は無名の一個人だけど
書物を通して河合先生に学んだ生徒だ、と心から言える。
全然イイ生徒じゃないけど(ほんとにそうだったら多分落第(爆
先生の著作に、私は今の仕事の多くを負っている。
出会ってなければ、全然違う仕事をしてただろう。
私は河合先生に「変えられた」ものの一人だと思う。


だけど
河合先生に支払ったお金は
印税というふうに考えると数百円くらいだと思う。
知とは、そういうものだ。


先生にも人間的な面がたくさんおありだったと思う。
私はリアルで存じ上げないから
解らないことの方が多い。
でも、先生の著作に接して
何度も何度も同じ本を読み返したから
私の血や肉になっていると信じている。
著作には勿論、自分の一部しか現れないけれど
でも同時に
自分が思う以上の自分があらわれる面もあるとおもう。



河合先生のご冥福を心からお祈りする。
ご病気だということはニュースで存じ上げていたけれど
亡くなったと聞くと、ほんとに悲しい。
私は、これはとおもった方のこれはとおもった本は本当に、
何度も何度も何度も何度も読むのだ。
そのなかのいくつかのフレーズを
おもわずしらず空で言えるほどに読むのだ。
先生の考えたことなのか自分の考えたことなのか解らなくなるほど
どこで読んだのか解らなくなるほど、
自分の言葉になるまで飽かず読むのだ。
それは、努力や義務としてやるんじゃなくて
それが快感で、そうする。
口移しに言葉をもらうのだ。
マザーズ・タン
という言葉があるけど
私は何冊かの本に、まさしくそうしてもらった。
だから私は、あまりたくさんの本は読んでいない。
私のことを読書家だと思っている人もいるけど
私はたくさんの本を読んだワケじゃない。
同じ本を何度も読んでいるだけだ。
私が「書物上の恩師」と呼ぶのは
そういう「マザーズ・タン」の母親みたいな存在だ。
口移しに言葉をもらった、その本の著者が「恩師」なのだ。


これで、書物上の恩師で生きている方は2人になってしまった。



ともかくも
リアルの恩師ができるだけ長生きして下さるよう、切に切に祈る。