石井ゆかり@筋トレのブログです。
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体感


「子供の身体と大人の身体は、全く違うのです」



教育学の碩学による話。



「大人は、身体は身体で、頭は頭だと思っています、それで、そうなっています。
 でも、子供は、頭が身体で、身体が頭なんです。そこがちがうんです」




最近、自動車の人気が落ちているらしい。
国内では、若い人が車を買わなくなっている、のだそうだ。
かわりに、HDレコーダーとかデジカメとかが売れているらしい。
少し昔の若者にとって、車はだんぜん「欲しいもの」だったようだが
今は違う。
駐車場代が高いとか、道が細いとか、車に乗る時間がないとか
いろんな理由が挙げられていたが
たぶん、それってこのせいかなあとおもう。


車は、身体を使って運転する。
手足で操作し、肉体自体では不可能なスピードでの移動を可能にする。
いわば、身体機能を極端に拡張する道具だ。


子供は身体が頭なのです
という話を考える。
子供は確かに、身体全体を使って世界を知ろうとする。
その過程で、身体が頭とつながり、敏感に、反応がよくなっていく。
舐めたり壊したり走り回ったりよじ登ったりして
身体で世界を知っていく。


でも、大人は頭と身体を切り離して考えている。
頭を鍛えるには頭を
身体を鍛えるには身体を
それぞれ別個に鍛えればいい、と考えてしまう。
パソコンや英会話、数学など
頭を鍛えることは身体を鍛えることとは違う、と定義してしまう。
子供が座ってゲームをやっている。
身体でものにぶつかる機会は、昔の子供よりずっと減っている。
電車の中で立っていられない中高生の話は
今に始まったことではない。


だから、車のような「身体」を拡張する道具には
関心がいかなくなってしまっても当然なんだろうなあ、と想像した。
モータースポーツ」と言われるごとく、
あれも身体につながっているものなのだ。
身体の感性が落ちれば
どんなにカーレースのゲームをやったところで
車に乗りたいとは思わないだろうと思う。
身体が反応しないからだ。


子供の身体は大人の身体とは違うんです
という言葉は
とても印象的だった。
子供の頃に読んだ本を広げて、その挿絵を見ると
本当に五感で反応していたことが解る。
ぐりとぐらの美味しそうなチョコレートケーキ、
「小公女」のレースのハンカチと手袋、
ちいさいモモちゃんのオレンジのチューインガムの味、カレーの味、
赤毛のアンがとびのったベッドのスプリングの感じなど
全部身体で覚えている。
大人になった今、本を読んでも、そんなにも身体では、反応しない。
読み方が変わったのだ。


自動車メーカーは
今後国内で車を売りたいなら
幼児が身体を動かして頭を育てる機関をどんどんつくればいいとおもう。
それは「頭をよくするための身体の運動」ではなく
「身体が反応する頭を作るための運動」だ。
ものにぶつかったり触ったり転んでケガをしたりしながら
身体の反応を育てるような教育の場をつくっちゃえば
車は将来、また、男の子のほしがる宝物になるんじゃないかと思う。


まあ
排気ガスが減るのはいいことではあるが
自動車業界がまずくなったら
経済そのものに支障が出るわけで
できるもんなら早めに手当てした方がイイと思う(うん
軍隊持ちたいと思ったらとりあえず
教育基本法とエンターテインメントから手をつけようという政府のセンスは
あざといけど戦術としては正しいだろう。


急がば回れマーケティング部門。